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二つの感動ーMy own conversion

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本多庸一(1848-1912)

本多庸一(1848-1912)

My own conversion(私の回心)は、弘前出身の宗教家である本多庸一が英文で著した文章です。月末の学会発表の準備で、今日はこの文章を久しぶりに手にしました。

最初は西洋の学問を学ぶために弘前から横浜へと向かった本多ですが、改革派の宣教師だったジェームス・バラの元で 聖書も学び、そして宣教師自身の真摯な生き方に触れる中で、キリスト教を受け入れるようになりました。そしてまだキリスト教が禁教であった時代に、日本人で初めて洗礼を受けた中の一人にはいっています。

My own conversion には、当初は反発していた本多がキリスト教を受け入れるに至った心中が記されており、戊辰戦争後の辺境化していく津軽において、時代を担う若者がどのように考えていたのかも伝わります。今日は久しぶりに読んであらためて感動しました(感動1)。

 

そして、今日は、この「my onw conversion 」に関連して、もう一つ感動したことがあります。この文章は高木壬太郎編集で大正7年に日本基督教興文協会から『本多庸一先生遺稿』として刊行された本の中に収録されています。

かつて初めてこの本を手にしたのは大学図書館の書庫でした。その時、必要な部分だけ複写しました。そして今日は、国立国会図書館デジタルコレクションから直接必要な部分をダウンロードして読むことができました。

貴重書や古書を直接自宅のプリンタから打ちだせるという、ちと古い人間にとってはにわかには信じられないような現実に、今更ながら感謝と感動がこみ上げました。ありがたいことです(感動2)。

いまさら言うまでもありませんが、国立国会図書館のデジタルコレクションは、研究者にとって力強い味方です。深夜でも容易に自宅から貴重な文献にアクセスできるありがたさを、毎回かみしめています。自宅で直接ダウンロードできない文献であっても、近くの公立図書館で閲覧・複写が可能になっていて、これまた感謝です。

生粋の人文系研究にもIT技術の進歩の恩恵があるということ、ありがたい限りです。

弘前教会

弘前教会

 

 

 

 

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