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第8回 東アジア<霊性>・<平和>研究会

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今日は東北大学文学研究科日本思想史研究室の片岡龍先生が主催する東アジア<霊性>・<平和>研究会の8回目の会合がありました。私が代表を務める科研チームから、山下須美礼さん、鈴木啓孝さんが発表者として参加しました。詳細は以下の通りです。

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第8回「東アジア<霊性>・<平和>研究会」

【第1日】2016年12月2日(金)16:00~20:00
会 場:東北大学川内南キャンパス文学研究科棟7階701講義室
〈報告 1〉山下 須美礼(帝京大学)
 「北東北における東方正教の展開―近代移行期の士族と地域社会―」
〈コメント〉高橋 原(東北大学)

〈報告 2〉中野 優子(東北大学・院)
 「大主教ニコライ師の永眠前後を読む(仮)」
〈コメント〉北原 かな子(青森中央学院大学)

〈報告 3〉片岡 龍(東北大学)
 「東教宗鑑講義について(仮)」
〈コメント〉山下 須美礼(帝京大学)

【第2日】2016年12月3日(土) 9:30~13:00
会 場:東北大学川内南キャンパス文学研究科棟6階605演習室
〈報告 4〉鈴木 啓孝(韓国・東義大学校)
 「伝統芸能者の「遺言」から読み解く明治ナショナリズムの転回
      ――平曲家・館山漸之進による「請願書」を素材に(仮)」
〈コメント〉森川 多聞(東北大学)

〈報告 5〉高棹 健太(東北大学・院)
 「大本教のエスペラント・芸術活動について(仮)」
〈コメント〉浪川 健治(筑波大学)

〈司  会〉松谷 基和(東北学院大学)

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初日の今日、山下さんの発表は現在の青森県域にある三戸を中心としたハリストス正教受容についてです。緻密な資料分析に基づいた発表に加えて、出席した宗教学や近世史、近代史の研究者たちからの活発な質疑応答があり、より一層研究が深まっていく時間をみなでシェアすることができました。

中野さんは学生さんですが、ニコライ師の晩年を丁寧に読み込もうとする発表で、なかなか興味深いものでした。

片岡先生のご発表は宮城県図書館所蔵の『東教宗鑑』とテキストとして、仙台藩をベースとしたハリストス正教受容について実証的にあきらかにされていくプロセスがスリリングでした。

日本のキリスト教受容研究の中でもハリストス正教はそれほど研究者が多くないので、これだけハリストスの研究がならぶというのは珍しいことだと思います。実に充実した研究会で、幸せな時間を過ごせました。

明日の鈴木啓孝さんが、弘前藩士族の館山漸之進が残した「遺言」的資料について、思想史的な視点からの分析を発表してくれる予定です。高棹さんのエスペラントも楽しみです。

夕方の東北大構内

夕方の東北大構内

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