Kanako Kitahara's Blog
リンゴのおいしい季節になりました。青森県は日本一のリンゴ生産量を誇ります。そしてリンゴ生産の中心はいうまでもなく津軽地方です。
この地方には古くから「リンゴはアメリカ人宣教師のジョン・イングがもってきた」という言い伝えのような話が残っています。詳しくは「ジョン・イングの贈り物ー明治8年のクリスマス」をごらんください。
明治初期の津軽とリンゴに関しては、ほかにも一つ外国人が書いた資料が残っています。J. H. ガビンズ(J. H. Gubbins, 1852-1929)が青森から新潟にかけて旅をした時の観察日記です。1875年4月に発行されたThe Tranzactions of the Asiatic Society of Japan, Vol3, 1875(日本アジア協会の紀要)の中に次のような一節があります。
この界隈にはすばらしいリンゴが育っている(Very good apples are grown in the neighborhood)
ここにはそれ以上のことが書かれていないので、もともとこの地方にあったと言われる和リンゴのことなのか、明治期にこの地方に導入されたリンゴのことなのか、ちょっとわかりません。
でも、時期的にイング先生が着任した前後くらいなので、仮にイング先生がリンゴを持ってきていたとして、まだ苗木が育って実がなるには少し早いかもしれません。ガビンズが見たリンゴ、どんなものだったのか、見てみたいものですね。