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青森県女子師範学校卒業証書(「成田らく」さんーその3)

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「成田らく」さんが残した資料の中には興味深いものがいくつもありました。

その一つが「青森県女子師範学校卒業証書」です。

明治10年(1877)に弘前仮女子師範学校設置の布達がだされ、翌月に弘前市内にあった女子小学校である「含英小学校」の中に女子師範学校が開校しました。この当時女子だけを入学させた師範学校はまだ少なく、弘前に開校した女子師範学校は、東北では初で、全国的に見ても時期的には早い方でした。その背景には、青森県内の女子就学率がきわめて低かったという理由があると思われます。

この師範学校はそれからしばらく継続しますが、その間も県費で女子教員を育成することへの疑義がたびたび出され、県議会でもその経費が問題とされたようです。そして飢饉や全国的な不況の影響で財政が圧迫された明治18年、女子師範学校不要との決議がなされ、5月8日にこの学校は廃止となりました。

 

青森県女子師範学校卒業証書(表)

青森県女子師範学校卒業証書(表)

 

 

学校存続期間が8年間と短いこともあり、この学校の詳細についてはよくわかっておりませんでしたが、成田家の資料に卒業証書があったことから、青森県女子師範学校初等師範学科の卒業生が、成田らくさんをいれて少なくとも30人はいたということがわかりました。

 

 

 

 

 

バージョン 4

また、次の画像は卒業証書の裏面です。今から7年間有効と記載されており、一種の免許状的なものだったようです。

なお、ここにあげた2枚の写真は、もともと逗子市の成田家で撮影させていただいたものですが、『青森県史資料編近現代1』のグラビアページに掲載されたものを転載しました。

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