The Study of Indigo
2007年弘前大学は、サンスター株式会社と研究連携に関する協定を締結し、 協定に基づき、藍の抗菌活性を活用した商品の共同開発に着手しました。
生理周期に伴って、あごや頬などに現れるしんの無いニキビのような吹き出物が大人ニキビです。 思春期にできるニキビの原因はアクネ菌ですが、大人ニキビの原因は、マラセチア菌と呼ばれる菌です。
大人ニキビと思春期ニキビの違い
大人ニキビ | 思春期ニキビ | |
発生部位 | あごや頬、鼻の周りなど | 顔全体、特に額や頬に多い |
---|---|---|
できる数 | ポツンとひとつづつ | バラバラと散発して複数できる |
時期 | 季節に関わらず、生理周期に応じてできることが多い | 春から夏にかけて、皮脂の分泌が増える時期に多い |
状態 | 赤みを帯び、芯がなくつぶせない | 芯がありつぶすことができる |
原因菌 | マラセチア菌 | アクネ菌 |
マラセチア菌は、人をはじめとした哺乳類の皮膚表面に広く常在する真菌(カビや酵母などの総称)です。 普段は、お肌を弱酸性に保ってくれるなど、むしろ、お肌にとって良い働きをしてくれる菌ですが、過剰に増殖した場合は、皮膚に悪影響を及ぼすことがあります。
生理前の黄体ホルモン量が増える期間は、皮脂も多く分泌されます。 皮脂を好むマラセチア菌が増え、大人ニキビができる原因と考えられています。
藍(タデ藍)は、日本における藍染め染料の原料植物としてよく知られていますが、古くから様々な効用が言い伝えられた民間伝承薬としても用いられてきました。
北原(当時、弘前大学教授)らは、タデ藍の抽出物にマラセチア菌の一種であるMalassezia furfur(マラセチア フルフル)に対する抗真菌活性を見出し、その抗菌活性物質「トリプタンスリン」を単離しました。
トリプタンスリンの化学構造式
北原(当時、弘前大学教授)らが、藍抽出物のマラセチア菌に対する抗真菌活性を応用した大人ニキビ用化粧品の開発を目的として共同研究を開始しました。
マラセチア属菌に対する高い抗真菌活性のある「トリプタンスリン」を多く含み、スキンケア製品に用いることができる藍エキスを得るため、不要な成分を取り除き、純度を高める独自の抽出方法を開発しました。
藍の栽培、藍葉の収穫、藍葉の乾燥方法、抽出方法の確立までを共同で研究開発しました。
こうして開発した商品は、現在サンスター社でキャンペーン中です。次のバナーをご覧下さい。
石けん、ローション、クリームの3品に、新しく開発した藍エキスを配合し、弘前大学にて、20歳から39歳までの77名の女性に対し使用試験を行いました。
まず、藍エキスを配合した化粧品サンプルを使用する前、4週間にできた吹き出物やニキビを調査しました。その後、サンプル4週間使用し、その間にできた吹き出物やニキビを調査しました。
その結果、被験者77名のうち生理周期に伴い吹き出物が現れる25歳から39歳の19名の女性において、サンプルを使用することによって、生理前1週間の吹き出物やニキビが統計的に有意に減少することが確認されました。
【サンスター プレスリリース】
http://jp.sunstar.com/company/press/2013/0422.html