Kanako Kitahara's Blog
弘前公園は桜がとても有名ですが、実は梅もきれいです。今日掲載する写真は数年前の4月に撮影したものですが、間もなく梅の蕾みがふくらんでくる季節を迎えます。
雪国の特徴として桜と梅が同時に咲くというようなことも言われますが、現実には、ほんの少しだけ梅の方が先に咲きます。桜が有名な弘前公園は、4月下旬はたいへんな人ごみになりますが、梅の季節にはほとんど人もいなくて、静けさの中に鮮やかな美しさを見せてくれます。
青森県から刊行された『青森県女性史ーあゆみとくらしー』(青森県、1999)を編纂する過程で収集した資料の中に、明治10年代後半の遺愛女学校生徒の作文帳がありました。もちろん津軽出身の女生徒が書いたものですが、その内容はとても興味深く、手紙を書く練習になっています。たとえば梅を見にお友達を誘うときの文章などもあったりします。丁寧に手紙を書いて友達を誘い、その手紙を読んだ相手からの返事を待って、そして共に梅を見に出かける、というプロセスの中に、現代の私達とは違うゆったりした時間の流れを感じます。今はメールで瞬時に連絡を取ってしまいますが、昔はもっと「待つ」ことが生活の中に入っていたのでしょうね。
弘前公園の梅は、4月初めくらいに咲いてます。ぜひお誘いしたいきれいな空間です。