Kanako Kitahara's Blog
これは昭和初期、青森県十和田市にあった三本木高等女学校での様子です。
校庭にグランドピアノを持ち出して、生演奏の伴奏でダンスをしているようです。
グランドピアノの生演奏というのが、なんとも新鮮な感じがします。いまだったら、もちろんスピーカーから鳴り響く、という感じになりますね。
青森県は、民謡が盛んだったことからレコードの人気が高く、蓄音機の普及率も高い方でした。特に県都青森市の場合はその傾向が強く、昭和9年の蓄音機所有家庭は、全戸数の5分の3に達しています(詳しくは、『青森県史資料編 近現代4』第4章第1節をご覧下さい)。
でも、まだこの写真からわかるように、校庭に蓄音機の音楽が響くことは少なかったのかもしれません。
ピアノに関して言えば、青森県内にもグランドピアノが普及してきていました。たとえば八戸高等女学校でピアノを購入したのは昭和6年のことですが、この時の購入ピアノは「ベーゼンドルファー」。学校の記念行事のために卒業生も含めて有志で寄附を募り、名器を購入しています。
なお、この写真にでてくる三本木高等女学校は、現在青森県立三本木高等学校となっています。そして八戸高等女学校は現在の八戸東高等学校です。
これらのグランドピアノは、いまどうしているのでしょう。ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただけませんでしょうか。